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竜太は椅子へ座り直し、
「マスター、これで、億万長者です」招待状に口付けをした。
「がんばってください、応援していますよ」店主は真っ白な布巾で、グラスを磨きながら愛想笑いをした。
気がつくと二組いた客も帰り、竜太一人になっていた。
店主が、ごそごそ、引き出しを開け、中を覗いている。
「どうしたの、マスター」竜太は気になり、訊いた。
「ええちょっと」と、言って引き出しを閉めて、隣の引き出しを開けた。
お客は竜太だけなので、店主は気安く、捜し物をしていた。
「何か捜し物」竜太は店主の開けた、引き出しをのぞき込むようにして訊いた。
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