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それはプラスドライバーになっていた。
「このバックルは裏に七つ道具が付いている
んですよ」
竜太の手にするバックルは、プラス、マイナスのドライバーに、ハサミ、ヤスリ、ナイフ、のこぎり、ペンチの小さな七つ道具が裏側に仕掛けてあった。
竜太はバックルのドライバーで、出っ張ったねじを締め直した。
「マスターこれで、大丈夫です」
「ありがとうございます、お客さんにこんな事までさせて、申し訳ありません」元に戻った、ねじの頭を見ながら店主は言った。
「いや、かんたん。かんたん」と、言って竜太はベルトを腰へもどした。
カウンターへ戻った竜太は、宝島の招待状を肴に酒を飲み直した。
金塊と島がぐるぐる、頭の中を巡り、金塊に埋もれた夢と酒で、酔いつぶれた。
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