第3話

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先生はゆっくり私を後ろの壁へ追い詰めると、手をそっと伸ばしてきた。 「…あんな大胆なことするくせに、近づいただけでこんなに顔真っ赤にしちゃって」 先生はいつもの笑みで言った。 「…だってこんなに近くに来られたら…」 私が言い訳をしている最中いきなりおでこにパチンと痛みを感じた。 先生今デコピンした…? 私がビックリして顔をあげると、 「平本…男の前でそんな顔しちゃダメでしょ」 「…えっ」 私どんな顔してたんだろ… そう思っていると先生が私から少し離れて、 「…ほら、昼食べるんでしょ。早くしないと昼休み終わっちゃうよ」 そう言って先生は、さっさと自分のバックからおにぎり3つとコーヒーを取り出して食べる準備をしていた。 先生が寝たふりなんかしてるから遅くなったんじゃん…… 私はそう思いながらも、先生と同じように机にお弁当を広げた。
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