第1話

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好きな人は…… いる その人の…落ち着いた、 甘くて低い声が…………好き 背が高くて、細身のスーツがよく似合う後ろ姿が…………好き きっと本人は気付いてないんだろうけど、ちょっと意地悪そうに笑う笑顔が…………好き 全部が好き 好きで…好きで…胸がギューってなるくらいに 大好き 「――――乃」 「彩乃~?」 「…えっ?…」 「何ニヤニヤしてるのよ」 やばっ……顔に出てたか…… 雪ちゃんはちょっと私から離れた 「好きな人のこと考えてたでしょ」 「違っ!!」 私が言い訳をしようとした時、教室一人の男の人が入ってきた 「ほらーみんな席に着いて」 ……吉村先生だ…… 「あっ!隼人くんだ~」 先生を見ながら言った雪ちゃんは、私の方に向き直った 「彩乃~さっきの話また後でね」 そういって雪ちゃんは自分の席に戻っていった
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