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好きな人は……
いる
その人の…落ち着いた、 甘くて低い声が…………好き
背が高くて、細身のスーツがよく似合う後ろ姿が…………好き
きっと本人は気付いてないんだろうけど、ちょっと意地悪そうに笑う笑顔が…………好き
全部が好き
好きで…好きで…胸がギューってなるくらいに
大好き
「――――乃」
「彩乃~?」
「…えっ?…」
「何ニヤニヤしてるのよ」
やばっ……顔に出てたか……
雪ちゃんはちょっと私から離れた
「好きな人のこと考えてたでしょ」
「違っ!!」
私が言い訳をしようとした時、教室一人の男の人が入ってきた
「ほらーみんな席に着いて」
……吉村先生だ……
「あっ!隼人くんだ~」
先生を見ながら言った雪ちゃんは、私の方に向き直った
「彩乃~さっきの話また後でね」
そういって雪ちゃんは自分の席に戻っていった
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