第1話

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「最近、教科の先生が2年生はたるんでるって言ってたけど気を引き締めて授業を受けるように」 「隼人くんの授業なら真面目に受けるのにー」 クラスの男子の1人が先生に向かって言った 確かに…………吉村先生の授業は真面目に受ける 「……“くん”じゃなくて先生を付けて」 吉村先生………突っ込むのそこ? そう思っていると先生はまた口を開いた 「俺の授業を真面目に受けるのは非常に嬉しいけど………お前ら来年は受験生だろ…………だから俺は今からしっかりと勉強して欲しいの……………分かる?」 先生は真面目な顔でみんなに言った 「……分かったよ先生………しっかり勉強する」 さっきの男子が返事をした それを聞いた先生はちょっと意地悪な笑顔で 「期待してるから」 あの笑顔………………やっぱり好き 「じゃ、これでSHLは終わり」 先生が合図をかけると、さっきのように教室がにぎやかになった 1限目は古典か―― 私が机の中から教科書を取り出し、1限目の準備をしていると 「平本………ちょっと」 先生…………今私を呼んだ?
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