別れのとき

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狭いバルコニーの白い手すりには、 うっすらとホコリが募っていて、 真っ直ぐと伸びるそのレールに、 小さな彼等は少しばかりの影を落としていた。 私はそっと息を吹きかけて、 白く煌めく彼等を飛ばした。 彼等はいとも簡単に宙へ舞い、でんぐり返りをしたあと、 バイバイと言って下へ下へとゆっくり、けれど確実に落ちていった。 アレルギーの鼻が敏感に反応する。 くしゅん、大きなくしゃみを一度だけした。 目がほんのちょっとだけ痒い。 星は、こんな風に光るのだっけ。 いつも何となくしか見てないから、よくわからない。 夜の広がる真っ黒な空と白の光のコントラストは私をくっきりとその場から孤立させる。 黒でも白でもない私は、 決して歓迎されることのない世界だった。 缶チューハイを持つ手は冷えて、手のひらは赤く、水滴で湿っていた。 持つ手を変えて、冷んやりとした手を頬に当てる。 私の生身の体温と手のひらの温度差が意外に大きくてビックリした。
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