58人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
3-i-10
そろそろ終業。
パソコンの電源を落とす。
時間に正確な彼女を待たせる訳には行かない。
『お疲れ。俺、先帰るわ』
同僚に軽く挨拶をしてオフィスを後にした。
今から少しの時間、俺の人生の寄り道。
寄り道が本筋になって来てる気もするが。
一本の轍(ワダチ)
踏み固めて道にするのも良いかと
独り笑った。
待ち合わせ時刻を五分過ぎたホテルのロビー
俺を見つけ、はにかみ軽く会釈をしながら足早に駆け寄る彼女。
地味ながらも清楚で整った顔に均整の取れたプロポーション。
『行こうか』
彼女は首を斜めにコクンと下げた
.
最初のコメントを投稿しよう!