呪文

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呪文とは神秘的な効力を持つとされる言葉 モーゼの『シェムハムフォラッシュ』然り、ローマ帝国で使われていた『アブラカダブラ』然り、日本で有名な『桑原桑原』然りである 呪文には『音声として口から出したときに効果があるもの』と、『言葉の意味に効果があるもの』がある 両方の特徴を同時に兼ね備えるものもある まず、音声が重要な呪文には、トランス状態、つまり精神状態への導入に由来する 呪文の中には繰り返し唱えるものがあり、これは特殊な意識の状態を作り出すための手法である 仏教で用いられる真言、陀羅尼(だらに)といった呪文は、サンスクリット語の発音の音写と呼吸法をできる限り忠実に真似たものである つぎに言葉の意味が重要とされる呪文には、人間の思考が言語に制約をうけていることと関係する 言葉は相手に命令し、相手を操ることができる これは相手に言葉が通じれば受けとりかた次第で行動を起こすということ 例えば相手を褒めたり志気を高めたりして動かすテクニックも、また呪文ではある この二つを要約すると、自分に効果があるものと、相手に効果を与えるものの違いである
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