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「あぁ~もう、何で逃げちゃうの私の馬鹿~!」
ダイニングから遠く離れた廊下まできたエリーは、壁に泣きついた。
「折角二人きりだったのに・・。」
一つだけ作った特別なチョコレート。
それはセレに渡すものだった。
エリー本人あまり恋愛に興味がなかったのと、一番身近な異性たちである隊内のメンバーが揃って恋愛対象として見れなかった為にエリーは今まで一度も恋をしたことがなかった。
あずまはまともだが良き友人として接しているし何より王子では身分も到底釣り合わない。
ムサシはそもそも恋愛のれの字も知らないだろう。
バットは性格的に物騒で怖いしそもそも前提として人間じゃないからどうなのか。
レオンと元光は子どもなので対象としてみることはない。
でもセレさんは。
優しくて、落ち着いていて、何をするにも完璧で。
丁寧な物腰と口調で紳士的なセレは、荒っぽいメンバーしかいない隊での生活をしていたエリーの目にはとても新鮮だった。
それからゆっくりと密かに想いを募らせていた。
天翔が家にきてから優しいだけでなく荒っぽい部分も知り驚いたものの、それでもこの想いが色あせることはなかった。
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