バレンタイン小説 2012

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朝食をとる間中、エリーは今日一日に対する不安と緊張で気が気ではなかった。 朝食を終えると自室で支度をする。 昨夜洋服ダンスと睨めっこして決めたとびっきりの服を着て、お気に入りの鞄を手に取る。 玄関に行けば、既にセレが待っていた。 「え、セレさん、早くないですか?」 いつも朝食の後、皿洗いや掃除等の雑事をしているはずのセレが、既に支度を終えていることにエリーは慌てた。 待たせるつもり等なかったのに。 「女性をお待たせする訳にいきませんからね。ご心配なく、雑事はすべて任せてきましたから。」 押し付けてきたの間違いではないだろうかとエリーは内心で雑事を「任された」だろう天翔に同情と謝罪をした。 「では、いきましょうか?」 セレが扉を開けて支えて待っていてくれる。 エリーは慌ててお辞儀をして外に出た。
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