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「今日も一人か………。」
僕は呟いた。あの日から僕の心はいつも冬空だ。それは、小さい頃に両親を亡くしてしまった。でも、僕は平気だった。寂しい時は、いつも飼い犬のリクが側に居てくれたから。
だけど、
幸せは長く続かない。
……………リクが死んだ……………
もう僕は本当に一人ぼっちになった。だから、心に春なんて訪れるわけないんだ。
そう考えていると一人の老人が僕に歩み寄り
「何を考えていらっしゃる。答えを出すのに時間をかけてもいいじゃないか」
そう一言行って歩いて行った。
一体あの老人は誰だったのだろうか?何故、僕が何かを考えていると分かったのだろうか。
でも…………
あの人のおかげで分かったことがある。僕には、この寂しさをどうするのか分からない。だから、これから先、沢山の山や河を越えていろんな人に会えるのなら今日も旅をしよう。
たとえ寂しさで身体をちぎられようと
この気持ちが消えるまで…………。
旅 【完】
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