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『よし!できたっ!』
料理ができないあたしが初めてお菓子作りをしたっ!
それも、明日に迫ったバレンタインのために、好きな人のために…。
やっぱり普段なれないことをさたから、あんまり良い見た目じゃない…けど、見ようによっては、大丈夫だよね?うん!
初めて作ったチョコを胸に抱いて、いざ好きな人の家まで行った。
そこにいたのは、好きなあの人、隣には、…………可愛らしい女の子。
その女の子が、あたしの好きなあの人に何かを渡した……。
可愛らしい小さな紙袋。
あの人は、その紙袋から、可愛い箱を取り出した……。
(ガサッ)
私は、もっていたチョコの紙袋を落とした……。
その瞬間二人があたしの方を向いた……。
『あっ……、えと、こんにちは!』
ごまかすかのように出した声、あたしは、笑えてるかな?そんなことも分からない…。
「お前のぞき見かよ……。」
『っ!違うよっ!』
「まぁ、いいや!お前、俺にチョコないの?」
彼の手には、さっきもらったチョコの箱……。
綺麗にラッピングされていたみたいだ。
中のチョコは、ガトーショコラ……。
あたしが何回も失敗して諦めたガトーショコラ……。
それがとても美味しそうに出来ている。それが彼の手の上においてある。
それをみたあたしは、泣き出しそうになった
「なぁ、それ俺の?」
彼はあたしが持っている紙袋を指差した。
『ちっ、違うよ!他の人の!じゃぁね!!』
あたしは、その場から全力で逃げだして、家にむかった。
家について部屋で泣いて泣いて……。
チョコを渡せたら何か変わったかも知れない…。
でもそんな勇気もなかったあたし…。
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