トラウマバレンタイン

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それはまだ俺が幼い純粋な時だった………。 ―――――― 特別かっこいいわけでもなかった俺。 ただ少しばかりスポーツが得意というだけでモテていた小学生時代……。 バレンタインが近づいてきてそわそわする男子達…。 そんななかたいして甘い物が好きじゃない俺は、どうでもよかった……。 バレンタインの前日仲が良い女の子達が俺に 「明日お菓子もってくるから、もらってね!」 と、口々に言ってきた。 とくに断る理由もないから俺は、ただ頷いていた。 ―――次の日――― いろんな女の子達から、様々なお菓子を貰った…。 大体は、チョコ系のお菓子だったなかには、クッキーやキャラメルもあった。 そんななかどこからそんな情報を得たのかわからないけど、俺の好きなプリンを作ってきた子がいた…。 ただ、そのプリンは、はたしてプリンと言って良いのか分からない代物だった……。 元は、確かにプリンだったかもしれない……。 ただそのプリンとやらは、ラップに包まれて持ってくる際に何かあったらしく原形を留めていなかった……。 受け取らないのも悪いので俺は素直にそれを受け取った…。 あまったるい匂い、そしてこころなしかバナナの匂いがする……。 「あのね、バナナ好きって聞いたからバナナいれたんだ!」 可愛らしい声、満面の笑みでそう少女は、告げる。 普通ならこの一瞬で惚れてしまうかもしれない。 だが俺の手にあるこのプリンとやらを見るとそう思えなくなってしまう……。 ――――― 結局そのプリンは、食べれず捨ててしまった。 もちろん少女には内緒だ。 そして、俺はプリンとバナナが嫌いになった……。 なぜ少女は、プリンにバナナをいれたのだろうか? 今思うと若い時の過ちだよな、うん! きっと料理下手な子に育ってるんだろなぁ………。
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