1じかんめ「自己紹介」

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「ちゃんと、あやまれって!お前がわるいんだろ?」 「なんやねん!さっきあやまったやないかっ!」 「ちゃんとって言ってるだろ?お前のあやまり方じゃ足りないんだよ!せっかく、麗ががんばって作ったんだぞ?」 「あー、もう二人ともやめえって!」 「ちょっ、友哉くん!手出しちゃだめだよ!」 俺が一樹くんを連れて教室まで戻っていると何やら喧嘩している園児の声と慌てる翠川先生の声、しかも小さな泣き声まで聞こえて只ならぬ雰囲気を感じて俺が足早になると一樹くんは何か予期したのか不安げに俺を見上げる そんな彼を抱き上げて一緒に教室に行くと翠川先生が二人の園児の間に割ってしゃがんで困ったような顔をしていた 「はっ、はな先生!助けてっ!」 「あー、はいはい、どうしたの?」 「二人がまた喧嘩しちゃって…、取りあえず純也くん止めて!」 俺が帰ってきたのに気付いた翠川先生はこちらに視線を向けて俺が慌てて駆け寄ると一樹くんも俺の腕から離れて泣いている子にパタパタと走って近づき心配そうな瞳で優しく頭を撫でている(えーっと、泣いているのは…)(確か年長の海野麗くんかな?) 喧嘩している張本人は友哉くんと…俺のクラスの、村崎純也くん 翠川先生が友哉くんを抱き、俺が純也くんを抱き上げて取りあえず二人が殴り合いになるのを避けようとするがまだ気が済まないのか双方俺と翠川先生の腕の中で暴れている(純也くんって)(、大人しい子だと思ってたんだけどな…) 「はなせ!あいつ、俺のことなぐりやがったんだ!俺もいっぱつやる!」 「こらこら、純也くん落ち着いて?手を出した友哉くんも悪いけどなにか理由があるんだよ」 「ははっ、お前なんか俺に指一本もふれられんわ!ばーっか、ばーか!」 「こらっ!友哉くん?手を出したのは友哉くんが悪いんだからそんなこと言わないの!」 「翠川先生いったい何があったんですか?」 どうやら二人共、気が済まないらしくバタバタと暴れながらずっと口げんかしている二人 俺は、暴れる純也くんを何とか抑えながら翠川先生に話しかけると苦笑いを浮かべながら事の経緯を話してくれた .
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