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「おー、お二人さんお疲れぇー」
大原先生と園長が送迎バスで皆を送っている間、俺と翠川先生が職員室で話していると四谷先生が職員室に入ってくるなりお茶を飲んでくつろいでいる俺らに話しかけてきて俺の隣に座る
気を利かせてお茶を注いだ湯呑を手渡せば「おおきにー」と陽気に一言言ってガブガブと飲み始めた
「先生なにしてたんですか?」
「ん?明日、ピアノを皆に触らせようと思って、かーるく調律をな」
「四谷先生、そんなことまでできるんですね?」
「いやいや、俺んことバカにしとるやろ!はな先生、俺かて立派な音楽教師やからな?」
一仕事終えてきたといった表情の四谷先生に話しかけるとなんだかムキになってグリグリと頭を小突かれた(あー、痛い…)俺を見て爆笑している翠川先生
そんなこんなで俺がまだ聞いてないことを色々と翠川先生に聞いていると大原先生が帰ってきた(…一人の園児と一緒に)(って、え?)
見るからに小さいその子はおそらく大原先生のクラスの子なのだろう先生に抱かれて心底嬉しそうに笑っている
「うお、またかいな…翔馬んとこの母さん」
「ははっ、買い物に行くところらしくて預けられてもーた」
「タツせんせ?おれがおったら、あかんの?」
「そんなわけないやろ?ただ、翔馬が寂しいんちゃうかなって」
「おれ、タツせんせーだいすきやからへーき!」
「ふふっ、翔馬くんはタツ先生大好きだもんねー?」
「おん、すきすきー!」
「あ、あれ…?居残り保育って今日はないんじゃ?」
「翔馬んとこは特別!…いっぱい寄付とかもらってるから逆らわれんねん」
大原先生に抱かれ、翠川先生に頭を撫でられて幸せそうにしている翔馬くん?(四谷先生に聞いたら柳瀬翔馬くんっていうらしい)を見て俺がふと頭に過ったことを呟けば四谷先生が耳打ちしてきた内容に思わず苦笑する
最近の幼稚園だったら珍しい話でもなく、モンスターペアレントというまででもないから皆甘んじて受けているのだろう(ただし、大原先生が送迎の時限定らしい)
「タツせんせー!おうたうたいたい!」
「おん、一緒にうたおかー!」
…まだまだ、忙しい仕事は続きそうです(嬉しいんだけど、ね)
いちじかんめ「自己紹介」
(いい人なんだろうけど)(、皆一筋縄ではいかないみたいだ)
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