1じかんめ「自己紹介」

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暫くすれば部屋の清掃や遊具がある場所など細かいことも全て教えてもらって(前の園より小さいからか遊具とかは少ないな…)園児たちを迎えるまであと1時間となったところで一度職員室へと向かうことに 毎朝、全員が集まって朝礼をするらしい 「他の先生にはもう会いましたか?」 「いいえ、まだ会ったことないんですよね…あと三人いらっしゃるんですよね?」 翠川先生が受け持っているのは年長のクラス、俺が受け持つのは年中のクラスそして年少を受け持つ先生と音楽の先生、それに一週間に一回くる体育専門の先生がいるらしい 今日はその体育の先生はいないけどそれ以外の人はいるみたいだから朝礼がてら自己紹介しなきゃなぁ…なんて思いながら職員室に入れば見たことのない先生が二人いた 一人の先生は朝ごはんなのか手のひらくらいあるんじゃないかという巨大なおにぎりを食べていてもう一人の先生はおおよそ園児には見せてはいけないような雑誌をペラペラとめくっている(…ちょっと自由すぎないか?) その二人に近づいていけば二人とも俺を見つめてきたので慌ててぺこりと頭を下げた 「紅花翔太といいます、今日から4歳児の担当です。これからよろしくおねがいします」 「かぁー、かたっくるしい先生やなぁー!もっとこーフレンドリーな感じでええやんか?」 「そういう四谷先生は礼儀なってなさすぎやねんて…あ、この人は四谷昴先生ゆーて、音楽の先生、わるい人やないから堪忍な?」 「米粒ほっぺたにくっつけてるタツに礼儀がどーとか言われたないわ」 「え、…う、うるさいー!」 俺の自己紹介にいち早く少しおじさんっぽい動作で反応したのは四谷先生、というらしい… そして米粒をつけているもう一人の先生とは四谷先生の言葉に不服そうに唇を尖らせている 二人揃って関西弁で話されればその勢いに少し圧倒されているとそんな俺の気持ちを察してか翠川先生が苦笑いを浮かべながら俺の肩をポンポンと叩く .
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