◆夢◆

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 彼女はかわいかった。何がって、もう全部。顔も性格も雰囲気も。 何より直也くんの笑顔が証拠だった。 あんな顔で笑う直也くんを見たことがない。 あんな笑顔、私には見せてくれない。  私はかわいくないし、彼女は男女に人気があった。 その時点で既に敵わないのだけど、彼女は直也くんと"同じ場所にいた。" 昔から妹扱いされる二個下の私と、対等な立場の同い年の彼女。 私が1番望んでいたものを彼女は持っていたのだ。 見た目、性格は努力すればなんとでもなる。 でも年齢は…? どう頑張ったって無理。叶いようのない現実… 実『なおやくん、まってぇ』 直『早くしろよみさこ』 実『まって…あっ』 直『みさこっ!!』 実『うわぁーん!!いたいよぉ!!』 直『みさこは危なっかしいな。そんなんじゃ、誰もおよめにもらってくれないぞ』 実『やだぁ』 直『おれがおよめにもらってやるから。もう泣かないの』 実『ホント?やくそくだよ』 直『あぁ。やくそくする』
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