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彼女はかわいかった。何がって、もう全部。顔も性格も雰囲気も。
何より直也くんの笑顔が証拠だった。
あんな顔で笑う直也くんを見たことがない。
あんな笑顔、私には見せてくれない。
私はかわいくないし、彼女は男女に人気があった。
その時点で既に敵わないのだけど、彼女は直也くんと"同じ場所にいた。"
昔から妹扱いされる二個下の私と、対等な立場の同い年の彼女。
私が1番望んでいたものを彼女は持っていたのだ。
見た目、性格は努力すればなんとでもなる。
でも年齢は…?
どう頑張ったって無理。叶いようのない現実…
実『なおやくん、まってぇ』
直『早くしろよみさこ』
実『まって…あっ』
直『みさこっ!!』
実『うわぁーん!!いたいよぉ!!』
直『みさこは危なっかしいな。そんなんじゃ、誰もおよめにもらってくれないぞ』
実『やだぁ』
直『おれがおよめにもらってやるから。もう泣かないの』
実『ホント?やくそくだよ』
直『あぁ。やくそくする』
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