少年

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走って走って漸く我が家に着いた。 家に明かりがあることから、両親は帰って来ていることがわかった。 そっと扉を開けて、玄関に静かに入った。 玄関に入ると、すぐ右側の扉が居間の場所で、いつも両親が喧嘩している場所だ。  案の定、母さんの怒鳴り声が聞こえてきた。 小さくただいまと言い、自分の部屋がある二階へ続く階段を上がっていく。 昔は、とても仲良しで周りから見ても幸せそうな家族だったと思う… 時間と価値観が人を変えたんだと僕は思ってる。 でも、もうそんなことどうでもいいのだ。 考えるのも嫌になるくらい、僕も追い込まれているんだ。 気付いて父さん、母さん… しかし、聞こえるのは怒鳴り声だけだった。
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