きっかけはバス停で

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正吉はバスの窓から雪の中に隠れているホコリを探していた。無意味なのは彼もよく分かっている。あるはずの無いものを探しているということは。厳密にいえば雪にホコリは混じっているのだが小さくて肉眼ではほぼ見えないし探す人は物好きか学者くらいであろう。 ふと目を移すと席の下にホコリがあった。小豆大の大きさのホコリだ。バスが発進したり停車したり、右往左往するたびにホコリはホコリを呼び次第に塊にやる。
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