『ちょっ!先っぽ刺さってるっ!!』件について

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「それだと言葉が正しくないわね…。友達になんかなってやらないわ。」 そうか。僕はここまで氷狩さんに嫌われていたのか。鬱だ。死のう。そんな僕を置き去りにして氷狩さんは言葉を続ける。 「だってあなたは変態で」 僕が座るベッドに四つん這いになって近づいてくる氷狩さん。 「氷狩さん?」 僕の言葉なんてきっと聞いてはいない。 「シスコンで優しくて」 じりじりと壁際に追い込まれていく僕。 「私にとってはただの奴隷で」 コツンッと壁に後頭部が当たる音がした。すぐ目の前には氷狩さんの綺麗な顔がある。 「何よりも…あなたは私の標的だから。」 距離がゼロになる。必死で冷静になろうとするが唇から伝わる氷狩さんのぬくもりがそれを許してくれなかった。 「…だから絶対に友達になんてなってやらないわ。」 顔を真っ赤にして背中を向けられる。後ろから見ても耳が真っ赤だ。あぁそうか…氷狩さんは… 本当にツンデレだったらしい。 「…あ~っ!!もう、早く帰るわよっ。こんなの私らしくないわ。」 僕が心の中でツンデレ祭を開催しているとこの空気に耐えきれなくなった氷狩さんが立ち上がった。 「私はもう帰るわ。霜月君も早く帰るのよ?」 それだけ言って足早に保健室を出て行こうとする。その時に一言だけ… 「それじゃあ…また明日…。」 振り向かないで呟いた彼女を見送りながら僕は思った。 『ツンデレも悪くない』 と。
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