自分に嘘はつけない

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「さっ、それじゃ帰ろっか♪暗くなったら帰り道見えなくなっちゃうし」 「だな。さっきみたいに誰かさんがまた転ぶと危ねぇしな」 「誰かさんって・・・あぁー!やっぱり見てたの!?ヤダヤダッ!!」 「はははっ、そりゃあれだけ派手に転べば目立つっての」 赤面する麻衣に、それをからかう祐希。 そんな二人を見ていたら、またしても妙なモヤモヤ感に襲われる。 「・・・?どうした恭ちゃん?暗くなる前に早く帰ろうぜ」 「あ、うん。ゴメン。そうだね・・・・」 余程ボ~っとしていたのか、祐希に催促されてふと我に帰った。 そして私達は、軽く談笑を挟みながら帰路につく。 ――――――――――――― ガタンッガタンッ・・・・ 麻衣と祐希に別れを告げ、一人帰りの電車に揺られながら私は思い更けていた。 あの時、夕日に照らされながら笑った祐希に視線を奪われていた私は、高鳴る胸の鼓動を抑えるのに必死だった。 それに、時折感じるモヤモヤ感は、恐らく嫉妬から来る感情なのだろう。 「やっぱ、そっか・・・・」 まるで自分自身に語りかける様に私は呟いた。 もう認めるしかないみたいだ・・・・ 私は、アイツの事を・・・祐希の事が好きなんだと・・・・ ・・・・自分に嘘はつけないのだから。 ――――――――――――――――――
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