146人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、出てきた!ほら、行くよ麻衣!」
「あ、うん!」
祐希達の姿を確認した直後、私と麻衣は廊下の角から飛び出して三人の前に立ち塞がった。
「・・・っ!!なっ、何でお前らがここに居んだよ!?」
私達の登場に驚いて声を荒らげる祐希をよそに、私は親戚二人へ交互に視線を移しながら口を開いた。
「はじめまして。私は祐希の・・・あ、いや、祐希君のクラスメイトの沢村恭子って言います。それで、この子は鮎川麻衣」
そこまで言うと、麻衣が親戚に向かってペコリとお辞儀をした。
その横で私は再度話を続ける。
「あの・・・お忙しい所、本当に申し訳ありませんが、この子の話を少しだけ聞いていただけないでしょうか?」
突然の出来事にキョトンと目を合わせる親戚二人の前で、私と麻衣は頭を下げた。
そんな私達に向かって、優しい女性の声が語りかけてくる。
「えっと、恭子ちゃんに麻衣ちゃん?そんなに畏まらなくても大丈夫だからね。話ならいくらでも聞くから、顔を上げて。ねっ?」
その言葉を聞いて私達はゆっくりと顔を上げ、麻衣が二人に話し出した。
最初のコメントを投稿しよう!