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#1 理解者なんて、
「………で、話って、何かな??」
だいたいは分かっちゃうけど。
「……あ、あのっ、ぼく、嘉山さんのことがっ……好、き…!」
へぇ。………で?
「………でも、アタシ、戸塚くんと委員会でしか関わった事ないよね?
アタシの事そんな知らないのに、好きかなんて分からないんじゃない?」
私は放課後、同じ学級委員の戸塚くんに呼びだされていた。
丸眼鏡をかけている彼は、見るからに学級委員が似合う人で、性格もいい。
でもなぁ。
「……しってるよ。
たくさん助けてもらったしさ。」
「……こ…を…?」
「………え?」
「アタシのどこが好き??」
「……っ!?」
「教え…て?」
少し近づいて、俯く彼の顔をのぞきこんでみる。
「………、それは、嘉山さんは……か、可愛いし…っ、勉強とかもできるし……っ、なにより、しっかりしてるし………」
なーんだ。
全然分かってないじゃない。
「………そっかぁ。うれしいなぁ♪」
笑顔をつくる。
「……それで、返事は………?」
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