ぼくの仕事は自室警備員。

8/10
前へ
/19ページ
次へ
 ̄ 金髪の長い睫毛が、ピクリと動いた。 「ぅ?」 「起きた?」 金髪は勢いよく起き上がった。 「何すんだよ、お前!!ひ、人を殺すなんていけないことなんだぞ!!」 ベットの隅の方で小さく丸くなる金髪。 「うん。嫌だったでしょ?」 「当たり前だ!!」 そう、当たり前でしょ? だから。 「僕も部屋に入られて嫌だったんだけど。」 「それと、これとは関係ないだろ!?俺に謝れ!!」 「関係あるよ。友達だからなにしても良いってことじゃないのわかった?俺は部屋に入られたくない。君は殺されたくない。友達が嫌だと思うことはしちゃいけないの。わかった?」 金髪はショックを受けたように、僕の顔を見てくる。 「友達だからって何しても良い訳じゃないの、わかったの?」 返事がないから、もう一回聞けば恐る恐る金髪は頷いた。 「ともだちだから、なにしてもいいわけじゃない。」 ぽつりと僕の言葉を繰り返す金髪。 「そう。だから、でてって?これあげるから。」 さっき部屋を出たときに買った、パックのイチゴみるくを渡す。 「首、あと残っちゃったね。ごめんね?じゃあ、さようなら。」 金髪を部屋から追い出すと、自分はベットに潜り込んだ。 金髪の匂いが残ってるのが嫌だったけど、気がつけば意識は深く落ちていった。 これで、やっといつも通りなった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加