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今日はバレンタインデー。
会長は告白ラッシュで、今日は会えたら奇跡だろう。
一歩歩けば、ファン達に捕まる始末。
会長も歩けば、親衛隊に捕まるだ。
「大変だね。会長も。」
「大変だねー。」
双子書記が、主不在の机を見る。
それはもう、東京タワーを越える勢いの高くつまれたプレゼントたち。
倒れて落ちないことが、不思議でしょうがない。
「会長はモテモテだねー。ひゅーひゅー。」
会計が、会長を囃し立てた。
思わず、持っていたファイルを勢いよく閉じる。
「貴殿方も遊んでないで、早く仕事をしてください。」
会計に冷たく言い放てば、きょとんとした顔をする。
そうかと思えば、腹を抱えて笑いだした。
「なにが可笑しいんです?」
「副会長は、かわいいねー。」
「副会長は、へたれだねー。」
「「ねー。」」
双子が、頬を両手で押さえながら首を傾げあう。
笑い終わったのか、ポケットに手を突っ込みながら、会計は僕に近づく。
ぐっと顔に近づいたかと思えば、耳元で
「凄い顔してるよ。フクカイチョーさん?」
「な!?」
「じゃあ、俺。自分の終わったんで、さよおならー。」
ひらひらと手を降りながら、出ていく会計に僕は睨みつけることしかできなかった。
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