私を‥‥

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 ̄ 今日、会長が生徒会室に来ることはなかった。 気がつけば、もう空は真っ赤に染まり上がっている。 生徒会には、カタカタとキーボードの無機質な音が響き渡る。 「おわったー!」 「つかれたー!」 双子たちは悲鳴をあげながら、机に突っ伏しながら目を回す。 もうすぐ三年生の先輩方がが卒業のため、やることは一杯ある。 更に、年度の終わり。 仕事は山のようにある。 双子たちは、ふらふらになりながら立ち上がった。 「じゃあ、僕達帰るねー?」 「ばいばいきーん」 「はひふへほー。」 「はい、お疲れさまです。」 返事だけを返すと、僕はまたパソコンに視線を戻した。 が、なかなか集中できない。 「ふぅ。」 どうやら、さっきの一瞬で、集中力が途切れてしまったらしい。 コーヒーでもいれるか。 そう思い、立ち上がった瞬間。 カチャリ。 「え?」 ドアが空いたさきには、両手にプレゼントを抱えた、会長が立っていた。
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