私を‥‥

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 ̄ コーヒーを啜る音。 カタカタと無機質なキーボードを叩く音。 それだけが、生徒会室を占拠していた。 会長も僕も喋れない。 静かで、微妙な距離。 コーヒーを啜り、キーボードを叩く。 それを何度、繰り返したことだろうか。 星がキラキラと輝く頃、ようやく終わりが見えてきた。 あとは保存して、プリントアウトしたら終わりだ。 「なぁ?」 「ひゃあっ!?」 耳元で会長の声がして、吃驚して椅子からひっくり返ってしまった。 会長の喉で笑う声が響き渡る。 「くくくっ。わりぃわりぃ。そんなに驚くとは思わなかったわ。ははっ」 「そんなに笑わなくてもいいじゃないですか。」 きっと睨むが、転んだままの姿で格好が付かない。 会長はツボにはまってしまったのか、苦しそうに笑い続ける。 お腹を押さえながら、床にしゃがみこんでいく。 「会長!!」 恥ずかしい。 ダメだ。 今日は、なんてついていないんだ。 最悪。
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