誕生日にはリボンを巻いて

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「ご主人様(マスター)、朝にございます。起きてくださいませ」 鼓膜を震わす心地よいアルトの声 ……って、 ベッドを跳ね起きる。 右を見る。 誰もいない。 左を見る。 見つけた人物は執事(バトラー)。 体つきは華奢で、長い艶やかな黒髪を一つまとめにしている。大きな瞳の目は黒色。女と見紛うばかりの中性的な面立ちに無感動と無表情を貼り付けている。 「……お前、律識……だよな……?」
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