流桜

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流桜

________文久四年________ 一月。新選組に一人の小姓が来てから三月半位経った今。屯所内は賑やかになった。佐之さんはそいつの面倒を良く見てる。新八さんなんて、本気で妹みたいに扱ってる位だ。 正月も終わり、京の町は再び不穏な動きが目立つ様になった。 今は巡察中。雪が昨日から降っている。 はらはら。 ゆらゆら。 空を見上げれば、雪は無数に舞っている。 「平助!?」 不意に声をかけられた。あいつの兄、悠利だ。 「おぉ!!悠利。一くん達と巡察だったのか?」 「うん。」 遠目に三番隊が見える。その先頭に一くんが居る。 悠利は俺を見て駆け寄って来たんだろう。少し息が上がっていた。 「あ…。」 そんな事思ってたら、悠利が空を突然指差した。 「え?何?」
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