_苺×ドラム

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 4時間目の体育からの  お昼休み。  大好きな君と肩を並べて  屋上のコンクリートの床に  腰を下ろす。  頬を優しく  撫でていく風。  空は真っ青で、雲の動きが  いつもより少し  速い気がした。  隣からは俺が貸した  柑橘系の制汗剤の匂いが  ほんのりと香ってくる。  「マジやばいよね!   でさー」  嬉しそうに俺に  話しかける君の笑顔は  眩しくて、"可愛い"と  いう言葉が一番  ぴったりだと思う。  でも君に  "可愛い"って言うと…  「はぁ!?こんな   背ぇデカくて   細っちい奴のどこが   可愛いの(笑)」  いつもこう言うよね。  いつも言い返されて  終わりにしてたけど…。  「裕翔…可愛すぎ」  「えっ?全然可愛く   ないでしょ(笑)」  「俺…裕翔以外の何に   "可愛い"って言葉を   使えば良いか分かんねぇ」  「…え?ちょ、涼介!//」  今日は我慢出来ない。 _
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