それはもう突然に

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寝息のような呼吸音が聞こえる。 おかしい。そんなはずはないけども。 だって僕は一人暮らし。 でも確かに、僕の部屋から僕じゃない誰かの寝息が聞こえる。 悪寒が走る。 手が汗をかきはじめる。 その謎の寝息は弱々しく、今にも消えてしまいそうなものだった。 そんな寝息が、僕のすぐそばから聞こえてくる。 僕はゆっくり起き上がった。 辺りを見回す。 そして、ふと隣を見た。 「血の気が引く」とは、まさにこのことなのか、と僕はこの時身をもって体感した。 それほど、目前に広がるその光景はリアリストの僕にとって信じられないものだった。
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