ご当地魔法少女、始めました

浪速(なにわ)の魔法少女、誕生！

「誰かの落し物かな?」

特に汚れていないし痛んでもいないから、捨てたのとは違うと思う。
でも一体、誰が落としたんだろう。

「って、わ! モカ、ちょっと待って!」

どうやら、私がぬいぐるみを取り上げたのが気に食わなかったのか。
モカは嫌がらせとばかり、突然全速力で中断していたお散歩を再開させる。

結局、あの後モカは一度も止まる事無く、自宅まで全速力で走る始末。
お陰で、私は息も切れ切れ、疲労も相当溜まった。

「はぁ、はぁ……。もうモカ! 少しは加減しなさい!」

と少し怒っても、モカは何食わぬ顔で知らん振り。

モカは基本的には可愛いけど、偶に憎たらしい行動をするのが困る。