浪速(なにわ)の魔法少女、誕生!

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兄は、例のぬいぐるみをいろんな角度から見ている。 名前が書いていないか、調べているのだろうか。 「何処にも、何も書いてないな。何だよこれ?」 けれども、名前どころか品質表示のタグも付いていないのを知ると。 兄は、あっさりと調べるのを諦め、ぬいぐるみを返してくる。 「まぁ、分からないなら貰っとけばいいんじゃないか」 「いいのかなぁ……」 本当にこのまま貰っていいのだろうか。もしかしたら持ち主は探しているんじゃないか。 改めてぬいぐるみを見つめて、私の心は葛藤する。 「……、え?」 でも、次の瞬間。 そんな葛藤など、どこかに吹き飛んでしまった。 何故なら、ぬいぐるみが瞬きしたからだ。
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