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それから暫くして、何とか落ち着きを取り戻した私達は。
首輪付きと名乗る不思議なぬいぐるみの話を聞く運びとなった。
話を聞けば、私達がぬいぐるみと思っていたこの首輪付きは、実は妖精で。
しかも、彼と契約すれば魔法少女になれるんだとか……。
「うわ、胡散臭い」
話を聞いて私が思ったのは、その一点に尽きる。
妖精とか魔法とか、今時一部の低年齢層かコアなマニア位しか信じない様な話だ。
「本当なんですよ! この契約書にサインすれば、今日からは貴女は魔法少女になれるんですよ!」
何処から取り出したのか、一枚の契約書と書かれた紙を突き出し、力説する首輪付きちゃん。
「いや、私そう言うのに興味ないし……、って言うか来年から受験生だし、バイトとかクラブとかあるし、それに私もう17歳だし……」
「大丈夫ですよ! 年齢なんて関係ありません! 中部地方ではアラフォーの魔法少女だって居るんですから! 17歳だって大丈夫です!」
どうして中部地方なのか、どうしてそれを知っているのか、そんな事はこの際触れないでおこう。
それよりも、アラフォーの魔法少女って……、それってありなの? いやそもそも、アラフォーで「少女」って。
痛い、痛すぎる。
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