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田中 安雄(たなか やすお)は体育館裏に来ていた。
―いや、呼び出されていた―
「何すか?先輩方…。こんなとこ呼び出して…まるで、今から俺をボコボコにするみたいに思えるんですが?」
安雄は自分を呼び出した3年生達を見回した。
―4人か…まあ、5分もかからんな。
そんなことを思いながら安雄はあくびをした。
「その通りだ。お前を“ボコボコ”にするために呼び出したんだよ。卒業する俺達にやられろよ。」
右から2番目の3年が言う。
「そうですか。なら、早くボコボコにしてみてくださいな、…まぁ、出来るならだけど!」
安雄は一気に駆けて、その3年の顔に右ストレートを繰り出す。さらに、続けて右端に左フックを浴びせ、左にいた3年が殴りかかるのを見ると、あっけなく避けて、もう一人の3年の腹を蹴り飛ばす。殴りかかってきた3年以外、皆倒れていた。これはまずいと思ったのか、逃げようとする。
「卒業の祝いにくれてやる。」言いながら安雄はハイキックを食らわした。
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