第一章 始まりの日

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 俺は今、俺の身に起きていること知って後悔した。  俺の唇に少女の唇が重なっていた。この光景は人によってはうれしいかも知れない。  だが、俺は正直、あんまり嬉しくない。何故なら、このことを少女に知られたら、俺はどうなるか分からないからだ。  だって、ここは俺の知らない魔術とかいう訳のなからない力がある世界だろ。  そんなのところで知らない人とこういうことをするのはいろいろとまずいと俺は思う。 (よし、ここはばれないように静かにこの子をどかそう)  俺はどかそうと少女の肩に手をかけた瞬間、 (!?) 少女と目があった。 (……………まじで?)  少女は急に顔を彼女の髪のように真っ赤にして、俺の上から跳ね起きた。 「え、え~と、これはその、不可抗力ってやつで…」 「初めて…だった…のに…」 「え、え~と…」 「初めてだったのに!!」  そう言って俺の腹を蹴り飛ばした。 「ぐはぁ」  そのまま彼女は去って行った。 「いって…たく、俺がいったい、何をしたっていうんだよ…朝から不幸だ…」 ――――キーンコーンカーンコン――――  まずい、これHR5分前のチャイムだよな。  5分前には職員室に行かなきゃいけねぇんだった。(やべぇ、急がないとまずい)
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