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わすがにお婆さん(腰痛持ち)のほうがしっかりしてました。
『ありゃ…ほんまじゃ。たくわんがまっ黄ぃ黄ぃじゃ。暑いから腐ったんじゃなぁ。』
それでも痴呆症には勝てませんでした。
桃太郎がお婆さん(気持ちは若いつもり)に聞きました。
『お婆さん、お婆さん…僕は生きてていいのかなぁ…』
桃太郎は突拍子もないことをたまに口にしますが、今回はやけに深刻でした。
何やら本当に悩みがあるようです。
『村の名前の知らない友達が…僕を指差して笑うんだ…。お前は桃から出てきた果物人間だ、って。名前の知らない友達は…友達は…きちんと子宮から出てきた、って自慢気に言うんだ…。それに…それに僕は、果物人間だからいつかは腐るんだ、って。』
桃太郎は苛めにあってました。
それを横耳で聞いてたお爺さん(出身地地元)は形相を変えて怒鳴りました。
『腐っとるのは桃なんかじゃねぇ!…この…このたくわんじゃ!!』
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