第三章 そんなに強かったのか

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声のした方を向くと、クラッドが5人分のテーブルを取ってくれていた。 「今レックスがみんなの分を取りに行ってる。エリスはオムライスでよかったよな?」 「ああ。充分だ。というよりそれがいい」 満足気に答えながら席につく。 「フェイトとソフィアの分は、アイツが『オレに任せろ!』って言ってたけどよかったか?」 クラッドが不安気に聞いた。 「うん。多分大丈夫だよ」 「あたしも大丈夫だと思います」 しばらくすると、レックスが大きな盆を持ってやって来た。 「ウィーっす、お待たせ。みんな自分の取ってくれ」 クラッドはカレーライスを取る。そしてあることに気付いた。 「ちょっと待て。何でソフィアがカツ丼なんだ?しかも特盛り・・・」 フェイトを見ても同様に驚きの表情をしている。それもそのはずである。小柄なソフィアの体型と特盛カツ丼の丼があまりにもアンマッチであるからである。 「実はなクラッド、ソフィアは大食いなんだ」 何故かエリスが胸を張る。 「何でお前が誇らしげなんだよ。レックスはいつ知ったんだ?」 「昨日、部屋に送って行ったとき・・・」 ボソボソと呟くようにレックスが返事をする。 「何照れてんだお前・・・」 「ごちそうさまでした!」 「「 早っ!!! 」」 俺と フェイトの声が重なる。 するとエリスが思い出したように言った。 「実はな、ソフィアは早食いでもあるんだ」 「見りゃ分かる。で、何で昨日はほとんど食べなかったんだ?」 昨日の彼女から想像もできないほどの食欲であるため疑問に思うのは同然である。 「えっとその・・・昨日は緊張と不安であまりお腹が空いてなかったので・・・。あ、でも晩ご飯はしっかりいただきました!」 ソフィアが笑顔で言った。
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