第二章 夢とは叶える為にある

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席は出席番号順らしい。俺たちは先ず、それぞれの席を探した。 D・・・Dは・・・うっ、1番前か・・・。運が悪いな・・・。 俺はは窓から2列目の1番前の席に腰掛けた。 ベストポジションだ・・・。こりゃ授業中に寝てたらソッコーでバレるな・・・。 自分の運の悪さを嘆いていると、左隣の席、つまり1番窓側の1番前に座っている女に声をかけられた。 「クラッドか?」 いきなり名前を呼ばれ、ちょっと驚いて左を見る。そこには、銀色の髪をかなり長く伸ばした、超が付くほどの美人がいた。 「ん、エリスか。久しぶりだな」 「やっぱりクラッドだったか。同じクラスだったんだな。ちょっと驚いた」 「なんだよぉクラッド、知り合いか?」 後ろから声をかけてきたのは先程まで一緒にいたアレックス。その隣には金髪の男がもう1人。 「あぁ。まぁな。同じギルドの仲間だ。よく一緒に依頼を受けてたんだ」 「エリス=アシリーネだ。よろしく頼む」 「エリス=アシリーネ!?あのSランク魔導士、『結晶の氷姫』!?」 名前を聞いた途端にアレックスと金髪の男が驚いた。それもそうだろう。 エリス=アシリーネ 上級貴族、それも三大貴族の1つであるアシリーネ家の長女で、史上最年少でSランク魔導士となり、水属性の上位属性、氷属性を操ることの出来る数少ない魔導士でもある。 「まぁ確かにそう呼ばれているが、学園ではただの生徒の1人だ。気軽に接してくれ。ところで君たちは?」 ちょっと苦笑いしながらエリスが聞いた。 「オレはアレックス=ランスバート。レックスって呼んでくれ。で・・・」 「僕はフェイト=クレイヴ。レックスとは中等部からの友達だよ。よろしく」 アレックスと一緒にいた金髪の男が自己紹介した。
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