第二章 夢とは叶える為にある

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「いいんじゃないか?運んでやってくれ」 エリスはいかにもそうしろといったような顔をしてアレックスを見た。 ってか『運ぶ』って…。普通『連れていく』だろ…。 「い、いや、オレ部屋知らねぇし……」 「ソフィアの部屋なら0919だが?」 なんとかして言い逃れしようとしたアレックスだったが、エリスの一言で彼の抵抗はむなしく終了した。 でも0919って確か…。レックスは0920だったから…。 そう、隣である。それを理解した上でクラッドはアレックスに視線を向けた。 すると偶然アレックスの方もクラッドを見ていたようで、2人の視線がぶつかった。 そして、クラッドがこのことを悟ったことが分かると若干焦ったような表情をし、折れた。 「分かったよぉ。連れてきゃいいんだろぉ?」 寮に着いた俺達は真っ直ぐ各階へと繋がる転移魔法陣の前まで来ると、 「じゃあオレはコイツ連れてくから」 と言い、アレックスは9階への転移魔法陣に乗り転移した。 「僕は7階だから」 フェイトも転移していった。 「じゃあ俺は10階だから」 と、エリスに別れを告げようとするが、 「奇遇だな。私もだ」 どうやらエリスも10階らしい。 「誰か仕組んだのか?」 ついつい言葉が出てしまう。 「それは無いだろう。部屋の場所なんて、学園側にとってはどうでもいいことだからな。そんなことより早く行け」 「すまん…」 そして10階に転移し、エリスが付いてきた。
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