第一章 始まり

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『御乗車ありがとうございました。間もなく、終点・オーライン学園前に到着いたします。お忘れ物の無いよう、ご注意下さい』 列車のアナウンスに、荷物をまとめ降りる準備をする。夕暮れ時の外の景色はしばらく前から緑が生い茂った広野になっている。 オーライン学園は少し街から離れた、ロカ山のふもとにある。 列車から降りると、プラットホームはがらんとしていた。それもそうだろう。駅の周辺には学園以外は何もないと言っても過言ではない。っと言うか、本当に何もない。 ここで乗り降りするのは学園の生徒もしくは、教師である。増してや、こんな新学期ギリギリに来る人なんているわけがない。 駅を出ると、なる程、たしかに学園前だ。といっても約1000mあるのだが、一本道だ。学園の入り口と思われる門らしき物が見える。その先には、何やら大きな建物が密集しているのが窺える。ここからじゃ若干遠いため、具体的にどういった形状の建物があるかは視認することが難しい。 さて、面倒くせぇけど歩くしかないかと思い、足を踏み出そうとしたところで、後ろから肩を叩かれた。
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