第三章 そんなに強かったのか

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俺は今、物凄く焦っている。そりゃもう物凄くだ。何故かって?体が動かねぇんだよ。いや、正確には動かせねぇだな。 ん?その理由か?そんなの簡単だ。コイツが・・・、もといエリスがどうやったかは知らねぇが俺のベッドにいて、しかも俺にしがみついたまま寝てやがる。 そのせいでエリスの平均よりかなり大きい、けしからんマシュマロが俺の二の腕に当たってる。柔らか・・・。 おっと、そんなこと考えてる時じゃないか。 今はこの状況をどう打開するかだ。時間は7時、まだ余裕だ。まずはエリスの腕をどうにかして退かせねぇと。ったく、夜這いをかけてきたのはお前ェじゃねぇか…。 にしても本当に綺麗な顔してんなぁコイツ。男なら誰でも見惚れてしまいそうだ。 「・・・んっ・・・・」 俺の向けた視線に気づいたのか、エリスが目を覚ました。3回ほど目をパチクリさせ、数秒間見つめあっていると、彼女の方から切り出した。 「どうした、クラッド。そんなに私を見つめて」 「何でもねぇよ・・・。で、何でお前はここにいる?」 するとエリスは当然だとでもいうように胸を張る。 「そんなの一目瞭然だろう。夜這「犯罪だ」・・・」 むぅ、と唸りながら頬を膨らませるエリスをよそに、 「さっさと着替えて来い。朝飯は用意してやる」 と言い残し、俺は無駄に豪華なキッチンへと向かった。
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