第三章 そんなに強かったのか

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「――――であるからして、この時代の王都の様子は・・・・」 今、エリスが言った通りに魔法史の授業を受けているのだが、暇だ。何て言うか、うん。暇だ。だいたい、過去の出来事を知ってどうするってんだ?今には関係ねぇのに……。 そんなことを考えながら左隣を見る。さすが貴族の娘、しっかり板書を写してる。 そして教室の後ろの方にいるアレックスに目をやる。 「・・・zZZZ・・・・・」 寝てやがる・・・。 ったく、羨ましい野郎だぜ。こっちは一番前のおかげでボーッとすることすら出来ねぇのに・・・。 因みに授業は1限90分で、午前に2限、午後に2限ずつ行われる。基本的に午前中は座学で、午後からは実践訓練になっている。実践訓練は武術学と魔術学の2種類あり、武術学はそれぞれの学科に別れて授業が行われる。 で、今は1限目が始まって88分経ったところだからもうすぐこのつまらん授業が終わる。 「――――え~、それではこれで今日の授業を終わります」 あー、やっと終わった・・・。 そう心の中で呟き、机に突っ伏したところをエリスに起こされる。 「寝ている暇はないぞ、クラッド。次は魔法薬だから移動だ」 マジかよ・・・。 そしてカバンから要る物を引っ張り出し、調合室へと向かう。
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