第三章 そんなに強かったのか

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―キーンコーンカーンコーン…… 授業開始まで、あと15分の予鈴が鳴った。 「次は…魔術学だ」 「マジかよ……」 エリスが例の冊子を見ながら言った。それを聞いた途端、まぁ覚悟はしていたが、実際直面してみると少し気が引ける。 「何だよ。Aランクなんだから魔法くらい余裕だろ?」 レックスの簡単な質問に、俺は首を横に振ることによって答える。 「俺、武術には自信あるけど魔法は苦手なんだ。でかく見積もってもCランクくらいだな」 「へ~。意外だなぁ」 アレックスは不思議そうに、どこか納得しない感じだ。そしてもう1人、驚いているのがいた。 「クラッドさんって、Aランクだったんですか!?」 かなり驚いた様子のソフィア。 「あ~、そういや話してなかったっけ」 「僕はレックスから聞いてたよ。でも魔法がCなのに、どうしてAランクになれたの?」 「おっ、それだ!それが気になってたんだ!」 アレックスが思い出したように言った。 その質問にエリスが答える。 「クラッドは武術だけならSランクより上だ。現に、私は魔法無しでクラッドに勝ったことは一度もない」
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