66人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~、ここって本当に学園だよな?」
「そのハズ………だと思う……」
「じゃ……、じゃああれは何だ?」
「し……、城?」
「あれは?」
「こ……、高級ホテル…」
「あれは?」
「わ、わかんねぇ……」
確かに、学園と呼ぶにはかなり広い。と言うより、広すぎると言った方が適切だろう。
それもそのはず、ここオーライン学園は、各都市に1つしかない魔法学校である。つまり、都市中の魔導士を目指す少年少女がほとんど集まって来るのだ。「ほとんど」というのは、家庭の事情やら何やらで、極稀に他の都市の学園に入学を決める人もいるからだ。
それに、学園では魔法について学ぶことが基本である。つまり、実際に魔法を使った演習などが行われ、その為の闘技場が複数存在するため、周りへの被害を考慮すると(一応全ての闘技場には、魔力で作られた壁が張ってある)、この広さで妥当できる。
「あ~、取り敢えず寮に行こうぜ」
先に正気を取り戻した俺が、未だ学園の城を眺めて呆然としているアレックスに呼び掛けた。
「お、おぅ。でも寮ってどれなんだよぅ?」
「多分、あの高級ホテルみたいなやつだろ」
ぞろぞろと何となく場違いな感じがする敷地内を、目的地に向かって歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!