第一章 始まり

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「あ~、ここって本当に学園だよな?」 「そのハズ………だと思う……」 「じゃ……、じゃああれは何だ?」 「し……、城?」 「あれは?」 「こ……、高級ホテル…」 「あれは?」 「わ、わかんねぇ……」 確かに、学園と呼ぶにはかなり広い。と言うより、広すぎると言った方が適切だろう。 それもそのはず、ここオーライン学園は、各都市に1つしかない魔法学校である。つまり、都市中の魔導士を目指す少年少女がほとんど集まって来るのだ。「ほとんど」というのは、家庭の事情やら何やらで、極稀に他の都市の学園に入学を決める人もいるからだ。 それに、学園では魔法について学ぶことが基本である。つまり、実際に魔法を使った演習などが行われ、その為の闘技場が複数存在するため、周りへの被害を考慮すると(一応全ての闘技場には、魔力で作られた壁が張ってある)、この広さで妥当できる。 「あ~、取り敢えず寮に行こうぜ」 先に正気を取り戻した俺が、未だ学園の城を眺めて呆然としているアレックスに呼び掛けた。 「お、おぅ。でも寮ってどれなんだよぅ?」 「多分、あの高級ホテルみたいなやつだろ」 ぞろぞろと何となく場違いな感じがする敷地内を、目的地に向かって歩き出した。
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