第二章 夢とは叶える為にある

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朝、差し込む日の光で目を覚まし、時計を見る。寝坊、みたいなベタなことはなく、8時だ。と確認した瞬間に忌ま忌ましい目覚ましのベルが鳴る。ああうるせぇ、と心の中で呟き、近所迷惑になる前に音源を絶つ。身仕度を済まし、朝食を取る。 いい時間になったところで、部屋を出る。廊下には何人か人がウロウロしていた。一人でどうしようかとさ迷っている奴、複数人で固まって何やら話している奴ら、等々。 全く話す気は無いため、気にも留めずに転移魔法陣で1階に降りると、昨日も見たデカい図体が視界に入った。 「よぉ、クラッド」 「あぁ」 「どうしたよぉ。元気ないじゃねぇか。初日だぜぃ。パアッといこうぜ」 「朝は弱いんだよ」 そう、何を隠そう俺は朝に弱い。さらに言うなら1分でも1秒でもいいから長く寝ていたい。 「そんな冴えない顔してっと、せっかくのイケメンが台なしだぜ」 「そんなことどうでもいい。で、どこに行きゃいいんだ?」 実際、入学式に関して全く知らない。何も知らされてないし、面倒くさくて調べる気にもならなかった。 「オレも分かんねぇ。でも他の奴らに付いて行けば何とかなるんじゃねぇのぉ?」 なるほど。それなら何とかなるかもな。
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