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帰り道・・・何故かシンディはアレンと肩を並べていた。
これがマリアの期待していてなのだろかとシンディは肩を竦める。
相変わらず会話はない。
しかしチョコを渡さない限りマリアは許してくれないだろし。
自分とて、夜が明けるまでの時間を掛けて作ったのだから受け取って欲しいと思っていた。
ちらちらと何度も横顔を確認しているうちに不思議と気持ちが沈む。
なんせ朝もらったアレンからのチョコはとてもおいしかった。
それに勝る気がしないのだ。そんな物を渡していいのかと。
「そう言えば、今日マリアさんからチョコを頂いたんですが」
唐突にアレンが話し出す。
「はい」
「とても料理が上手いんですね・・・手の凝ったものをいただきました」
「マリアが料理にハマったのはさいきんですよ、この間まで手芸を熱心にしてましたし」
「あれ?そうなんですか」
「昔から手先が器用だから・・・」
「でしょうね」
「いつも私は助け船を出してもらったりして」
「あはは」
「アレンさんもお料理得意そうですね」
「俺は妹がいて、その世話をしてましたから自然と」
「そうなんですか」
「シンディさんは一人っ子でしょうね」
「・・・分かりますか?」
「えぇ、とっても」
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