通学路にて

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アレンは笑って言う。 「・・・だから私、お料理とか苦手で」 「練習すれば上手くなりますよ・・・そうだ、教えましょうか?」 「えっと・・・」 「遠慮は無用ですよ」 相変わらず笑顔のアレン。 またシンディはタジる。 *  「申し訳ございませんわ、お二人でお帰りになるのだったでしょうに」 「・・・別に」 素っ気ないランスロットの返事。 二人はアレンとシンディを二人っきりにするため、学校より少し離れたカフェで腰を下ろしていた。 ふと、マリアがランスロットの足下の紙袋を見た。 「たくさん頂いていますのね」 「・・・あぁ」 マリアの視線に気がついてランスロットは紙袋をテーブルに持ち上げた。 「別に、もらいたくてもらっている訳ではない」 「またそんなことをっ!」 マリアはデリカシーのないランスロットの言葉に思わず愚図る。 「・・・しかし女子もよくやるよな」 ランスロットは袋の中からいくつか箱を取りだした。 「本命が多いのでは?それなら凝るのは当然ですわ」 「・・・本命・・・ね」 「・・・そうですわ!」 「・・・」 思わず出た深いランスロットのため息。 マリアは首を傾げるが、彼の手元を見て言う。 「整理をするのでしたらお手伝いいたしますわ」 「・・・悪いな」 「いいえ」 袋をテーブルの中心へ寄せてチョコの入った箱や袋を仕分けでした。 その姿をランスロットは数秒見つめると目が会わないように目線を伏せた。 「・・・」 「・・・」
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