カフェにて

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 ランスロットが今日手にしたチョコの数は43個。 約1クラス分の人数からもらったことになる。 「・・・そんな強面でよくモテるのですね」 「・・・今朝も聞いたな、アレンから」 それを聞いてくすくすとマリアは笑う。 チョコの個数や誰からもらった物か(手紙付き判別可能)をチェックしていくのをいつもならばアレンの仕事だがマリアが手伝った。 「・・・まぁ、わたくしも人のことは言えないのですわ」 「は?」 目線をそらし気味だったランスロットがマリアに目線を合わせ振り向く。 「・・・本命に渡したと言うことか?」 「いいえ、義理チョコを少し配りすぎたかもしれないと思っただけですわ・・・どうなさりましたの?」 「いや、何でもない」 ランスロットはティーカップの中へ目線を落とした。 不思議な物を見るような目でその姿を見つめるマリア。 「もしかして」 マリアの突然の声に顔をあげる。 「わたくしからチョコを貰っていないことを・・・拗ねていらっしゃいます?」 冗談交じりに悪戯気な表情で言った。 「アホか!拗ねるか!そんなことで」 「心配なさらないでもありますわ・・・」 バッグを膝の上にのせてマリアはピンク色の小箱を取り出した。 「どうぞ、いつもご迷惑を掛けて申し訳ございませんわ」 「あぁ・・・」 箱を受け取りチョコの入った紙袋に入れようとして手が止まった。 「開けていいか?今」 「ふぇ?」 間の抜けた声がマリアの口から漏れた。 「あの、・・・できればお家にお帰りになってからが」 「・・・そうか」 ランスロットは鞄の中に箱を仕舞う。 「あくまで!」 声の色が変わったマリア。 「あくまで、義理ですから!いつもご迷惑を掛けているので・・・少し他の方とは区別しましたが・・・あくまで義理ですわ!」 「わ、分かった・・・義理な」 マリアの迫力に負けてランスロットは腰が引けた。
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