I know.

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  言わなくてもわかるだろ? こんなに近くにいるんだから。 「お前さー、昨日なんで連絡よこさねーんだよ?」 「は?俺昨日撮影の時から調子悪かったんだよ。わかるだろ?」 あ、そうなの。 俺、全然わかんなかったし。 「あー…、で、大丈夫なの?風邪とか?」 「んー、寝たら治ったし。大丈夫なんじゃね?」 「ふーん…じゃあ、この後どうする?」 「ばっかお前、そこは気ぃ遣って黙って家まで送り届けとけよ」 「え?…あー、うん」 なにそれ、風邪じゃなくて治ったんなら大丈夫じゃねぇの? ほんと意味わかんねぇ。 「…俺ヒマだから、カメんち寄ってってもい?」 「は?俺ソッコー寝るし。いいから帰れよ」 「…うん」 なんか、ひどくねぇ? 俺、なんか悪ぃことした? いつもカメと一緒にいるけれど、たまにカメがわからなくなる。 全然わかんねぇ。 「じゃあな」 「待っ…!」 言われるままにカメの家まで車で送り届けたけれど、なんだかモヤモヤした気持ちが拭えなくて。 スタジオからここまでそっぽを向いたまま言葉も発さずにいたカメが助手席のドアを開けて去ろうとした瞬間に 咄嗟にその手を強く掴んだ。 「…ーっ!」「っなんだよ…」 すると、掴んだその手首は熱くて、明らかに不自然に身体に熱が宿っているのがわかった。 「おまっ…熱あるだろ?」 「……ない」 「うそつけよ。なんで言わねぇんだよ?」 つか、なんで気づかなかったんだろう。 こんなに近くにいるのに。 「…心配かけたくなかったし」 「そーゆう問題じゃねぇだろ?こんなん、余計に心配するわ」 「だって…、仁にうつしたら嫌だし」 「っ、べつにいーだろ」 「よくないよ。ただでさえ仁は風邪ひきやすいのに。俺が風邪ひいたなんて言ったら、絶対離れないじゃん」 「だから…、心配だからじゃん」 「だからだよ。俺も仁に心配かけたくねぇもん」 「だけどっ…」 「ははっ、これじゃあ話が堂々巡りで埒があかねーよ」 「う…」 だけど、心配なもんは心配なんだよ。 それのどこが悪ぃの? やっぱりカメの考えることは、よくわかんねぇ。  
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